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【闘う主務・石橋章匡】~徒然なるままに~

2015/03/05

【闘う主務・石橋章匡~徒然なるままに~】

主務なんて仕事は、昔から自分には全く縁のない、
むしろ自分から一番ほど遠いところに存在するといまだに思っている。
他人のために何かをする、ということ自体が自分の性に合わない。
だから、マネージャーのみんなにはホントに頭が下がる。
自分にはできない仕事だから。

そう語るのは石橋章匡36歳。
現神奈川タマリバクラブ プレイングマネージャー(選手兼主務)である。
今年のタマリバ日本一を影から支えた立役者だ。

伊奈学園総合→早稲田大学→横河電機→タマリバクラブ
楕円の道に足を踏み入れたのは20数年前。楕円球に魅せられた
少年は現在もハードタックルを武器にプレーを続けている。

タマリバに入ったのは9年前。
ラグビーがもっとうまくなりたい、ただそれだけだった。
以降数シーズンをプレイヤーとして過ごし、2008年シーズンには日本選手権で
母校早稲田大学と対峙している。

本人曰く「主務なんてやるつもりは全くなかった」とのこと。
後日判ったのだが、当時の代表だった高橋清貴さんの
「あいつ、役に立ちそうだから、本人にバレないように運営側に巻き込もう。」
という号令のもと、まんまとその策略にはまってしまったようだ。
主務を務めてもう何年になるだろう・・・。
高橋清貴さんの呪縛はまだまだ続くのか・・・。

タマリバに入ってからの9年間。
毎年のようにタマリバを離れていく人はたくさんいる。
いろんな事情がある。しょうがないことことではある。
所詮クラブチーム。なんの拘束力もない。

それでも、タマリバは自分のラグビー人生を賭けたチーム。
タマリバの存在に感謝している。
「タマリバを一生支えていくつもり」と大きな声では言わないが、
心の奥底に抱いている。

そりゃあ簡単なことではない。

遠征のマネジメント、グランドの手配。
大量の公式戦用ユニフォームを家に持ち帰り、保管する。
時には全員分のジャージを洗濯することもある。
家族の理解なしには続けられない。
ラグビーマンである前に2児の父である。
以前、「妻の由美子には頭があがらない」と
こっそり教えてくれたことがある。
喧嘩もするけどね。と苦笑い。
それでも貴重な土日をタマリバの練習に費やして、
耳がつぶれるほどのハードタックルを繰り返す。

なるほど、石橋章匡は正真正銘のラグビーマンである。

今シーズン、最高の結果で終えることができたが、
本当に過酷なシーズンだった。
8月31日にシーズンイン。3月1日シーズン終了。6ヶ月間で15試合。

全国クラブ大会に至っては、遠征3連続。名古屋-北九州-名古屋。
心も身体もお財布も、かなり厳しかった。
それでも誰一人文句を言わず遠征に参加した。
それがタマリバの強さだと思うし、先人たちが築いてきたタマリバの
ブランドなんだと石橋は、確信する。

今シーズン、ひょんなことからフランカーで試合の出場機会を何度か得た。
公式戦先発出場は、6年ぶり。「ホントに楽しかった。まだまだうまくなれる」
そう思ったという。



主務なんて仕事はできればやりたくない。だから、プレーヤーを続けていられる
ことでバランスがとれてるのかもしれない。
プレーヤーを終わりにしてたら、ここまで長く主務は続けられないと語る。


先日の決勝戦、ノーサイドの笛を聞いた瞬間、涙があふれた。
しばらく涙が止まらなかった。
おまけに嗚咽も止まらなかった。
あんなに泣いたこと、これまでの人生であったかどうか。

飛野選手に対しては特別な思いがあった。
彼が主将だった2010~2012の3シーズン、あまり彼の力になってやれなかった。
どうしても彼にはもう一度日本一になってもらいたかった。
彼の顔を見たら涙が止まらなかった。
ちょっとは借りを返せたかな。

畑選手のメンタルがあまり強くないことは多分みんな気付いていると思う。
「お調子者」。ピッタリなネーミングだ。
そんな彼のPG失敗で昨シーズンを終えてから、彼はどんな思いでこの長いシーズ
ンを過ごしてきたのか。。
「お調子者」なだけに痛々しい。ホントに勝って良かったね。
彼の兄貴になったようで、涙が止まらなかった。

川崎選手とは、20年近くの付き合いになる。
タマリバに誘ってくれたのも彼で、親友でもある。
試合終了後はほとんど言葉を交わさなかった。
握手をしてうなずいただけ。それだけでお互いの気持ちは伝わった。

あの瞬間、この場では語りきれない程のいろんな思いが頭をめぐり、
みんなの満足げな表情を見て、みんなのこれまでの辛かった思いの全てが浄化さ
れたんだ、と思うと涙が止まらなくなっていた。

最後に熱き男、石橋章匡から。

「4年ぶりの全国制覇。
選手のみんな、スタッフのみんな、本当におめでとう。
そして本当にありがとう。
これでひと区切りしたけど、タマリバの活動は未来永劫続きます。
創部してまだ15年。
50年後にこの仲間で集まってあの歓喜の瞬間の話をしたいね。
これからもタマリバをよろしくお願いします。」

石橋章匡はこれからもタマリバを支えるラグビーマンだ。

 

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