クラブチームの本質
2006/10/20
先週、ほろ苦い試合運びを見せたタマリバだが、今回はクラブ王者にふさわしいゲームを展開した。奪った14本のトライのうち5本がFW、9本がBKとバランスのとれた攻撃を披露した。
一方、先週の三鷹オールカマーズ戦を1点差で惜敗し、この試合を落とすとクラブトップリーグ残留が非常に厳しくなるツクバリアンズ。チーム一丸となった攻撃の意志は切れることなく、試合の勝敗自体は決したように見えても、後半立ち上がりにはラインアウトからモールを押し込み、後半先制トライを決めるなど、随所に「切れない気持ち」、「折れない心」をきらめかせた。多くの応援を集めたホストチーム、数字が示す程の点差を感じず、むしろ最後まで手の抜けない緊迫したゲームと感じたのはフィールドにいた選手ではなかろうか。
ノーサイドの笛が鳴った瞬間の、ツクバリアンズフィフティーンの抜けるような笑顔が印象的な試合であった。
試合運営、アフターマッチファンクションを通して強く印象付けられたのが、ツクバリアンズのクラブ全体によるホスピタリティ。ゲームのボールボーイはジュニアチームの少年達がジャージ姿も愛敬たっぷりにタッチに出たボールを追って駆け巡り、ファンクションではツクバリアンレディースによる豚汁の振る舞い。「クラブは家族」のお手本を見せられたタマリバ、カテゴリーの中でプレーの質以上に問われるクラブチームとしての本質を学習する良い機会となったはずである。
Man of the matchには、ツクバリアンズからは、この試合に賭けてきた思いを、体をはったタックルで何度も体現して見せたCTB山本主将、タマリバからは前半7分の先制トライを皮切りに4つのトライをあげたWTB松涛が選ばれた。
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